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2009年8月

旅の終わりは奈良の薬師寺、長谷寺へ

 今回の旅もいよいよ終わり、最後の目的地は奈良の美術館と寺巡りである。
 高野山との別れを惜しみながら奈良に向け出発、目的地である松伯美術館に昼過ぎに到着する。ここは、妻が上村松園の絵が好きで、いつか寄ってみたいと常々話していた美術館であるが、思ったよりも小ぢんまりとした美術館であった。中に入ると、確かに松園の絵はあったものの、わずか1枚のみ、息子や孫の松篁、淳之の絵を含めても、常設展示の1室に限られ、他の展示室には、企画展として「山口華陽」の動物絵ばかりが展示してある。よく調べて行かなかった私達も悪いが、松園の絵を楽しみにわざわざ寄った妻としては、詐欺に遭ったよう気分であったに違いない。私がアンケート用紙に妻の代弁として厳しい意見を書き記す結果となった。

 松伯美術館への大きな失望と、カーナビの誤案内でひどく疲れてしまい、最後に久しぶりに東大寺の大仏様でも見て宿に行こうかと、東大寺近くの県営駐車場に寄ると、何と普通車の駐車料が一日千円と書かれており驚く。時刻は既に午後4時を過ぎており、東大寺の大仏様を見るだけで駐車料千円は馬鹿げている。ここの駐車場は皆こんなシステムと料金なのかと周辺の民間の駐車場も見てみたが同様であった。どうやら高額の料金設定で、マイカーによる観光地巡りを制限しようとしているのかもしれない。夕刻、宿に車を駐め、飛火野の鹿や興福寺の五重塔などを見て回る。

Dsc_59251_2   明けていよいよ旅行最終日、最初の目的地は薬師寺である。薬師寺はこれまでも何回か訪れており、今回の目的は寺院内の見学ではなく、薬師寺の東塔、西塔を池越しに見る風景をカメラに収めることにあり、すぐにそれらしき場所を探し出すことができたが、そこには、すでに先客がおり、中高年の女性グループがそれぞれ絵筆を持って素晴らしい風景を描いている。その側で私一人がカメラを持ってバシャバシャとシャッターを切る。朝焼けの時間であればもっと素晴らしい風景なのだろうにと欲がでるが仕方がない。

Dsc_59661  次に今回の旅行の2番目の目的地、長谷寺に向かう。
 長谷寺は、ぼたんをはじめ、花の寺として有名な真言宗のお寺であるが、遡ること30数年前、学生時代に友人達と一度行ったはずなのだが、まったく寺の様子の記憶がない。西名阪を壊れそうなオンボロ軽自動車で走った記憶だけが鮮明に残っている。
 今回訪れてみても、まったく記憶は蘇らず、初めての新鮮な感動を得ることができたが、最も花のない時期にやってきたことが惜しまれてならない。入り口の仁王門から本堂までの399段の登廊を上り、一番上の国宝とされている本堂にたどり着くと、ご本尊である10メートルはあるであろう巨大な「十一面観音」に驚く。丁度僧侶達のお勤めの最中で、読経の声Dsc_60011 が響き渡っている。この本堂は、京都の清水の舞台同様舞台があり、この上に上がると、広い長谷寺全体の様子が見渡せる。この本堂の他、仁王門、下登廊、繋屋、中登廊、蔵王堂、上登廊、三百余社、鐘楼、繋廊が重要文化財に指定されている。
 見学を終え、お土産店で花の形をしたお守りを購入し、そろそろ降りようかと話していたら、ホラ貝の音が聞こえてきた。音のすDsc_60431 る方向に急いで走り寄ってみると、二人の若い僧侶が鐘楼の中から下界に向けてホラ貝を吹き続けている。演奏?を終えた僧侶達に聞いてみると、これは正午を知らせる時報で毎日やっているとのことで、いいタイミングに出会えたことに感謝する。なかなか生のホラ貝の音を聞く機会はないだろうから。

 旅行はこれで終わり、500キロ前後の帰路を走りきり我が家に辿り着いた。今回も事故なく無事帰ることができたことに感謝である。

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ついに念願の高野山へ

 徳島市内のホテルを出発し、眉山などを回ってから、「南海フェリー」で和歌山に向かうため、徳島港に向かった。カーナビで徳島港を設定し目的地に到着したものの、そこはとてもフェリー発着所とは思えない。大きな建物があったので、正面玄関に向かうと、そこには、「ここは南海フェリー発着所ではありません。ここから西へ○○○メートル。」と書いてある。初めての者は、皆カーナビに案内されてここにやってくるに違いない。
 来た道を引き返し目的地に到着、案内に従って進んでいくと、ここはチケットの購入がドライブスルーになっている。自分の順番がきたので必要事項を伝えるが、逆に「昨晩は徳島に宿泊したか?領収書はあるか?今日は和歌山に宿泊するか?」と窓口の係員が聞いてくる。説明を聞くと、夏休みの間、県外車が両市に宿泊した場合は、「和歌山徳島航路利用促進事業」により、5メートル未満の車の場合、通常運賃9,300円が何と!1,000円になるという。後に調べてみると、この事業は7月18日から8月31日までであるが、第2弾として、9月1日~平成22年1月3日までは、土・日・祝日に限り1,000円になるという。詳しくは、こちらのHPをご覧頂きたい。http://www.nankai-ferry.co.jp/news/090901.html

事前調査不足であったが、8,300円もフェリー代が安くなり、ひどく得をした気分になって乗船、船は予想よりも大きく、およそ2時間で和歌山港に到着、今回の旅の最大の目的地である「高野山」に向かう。
 今回の旅は、我が家のセカンドカーを利用、半年前に超小型・超低価格のポータブルカーナビを購入し取り付けているが、まともな道路を選択してくれたことがない。今回も悪戦苦闘を繰り返し、狭い山道を登っていき、ようやく目的の高野山に辿り着く。
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 高野山は、およそ1200年前に弘法大師によって開かれた真言密教の修行道場である。全国に広がる高野山真言宗の総本山であり、標高およそ900mの山の上の盆地に、壇上伽藍と称する聖地がある。ここには、さまざまなお堂や塔が立ち並び、 仏像や曼陀羅が参拝者を迎え、また、うっそうと杉の樹の茂る奥の院には、多くの戦国大名や有名企業の立派な墓が立ち並んでいる。

  まず最初に金剛峰寺前の駐車場に車を駐め、総本山金剛峰寺を見学することにするDsc_56961
外から見るとさほど感じなかったが、諸堂共通内拝券1,500円を購入して中に入ると、その広さに驚く。各部屋には狩野探幽など著名な画家の手による立派な襖絵があり、外は日本一の広さという石庭が落ち着いた佇まいを見せている。順路に従い見学していくと、大広間で無料のお茶を出していただける。ゆっくり見学するとかなりの時間を要する広さである。さすがに真言宗の総本山である。すばらしい。
 続いて、隣にある「根本大塔」を見学する。現在の大塔は、火災によって昭和12年に再建されたものであるが、中には主尊の大日如来、これに金剛界の阿(あしゅく)・宝生(ほうしょう)・無量寿(むりょうじゅ)・不空成就(ふくうじょうじゅ)の四仏が配してある。その大きさに圧倒される。
Dsc_57481  高野山と言えば宿坊である。これまで宿坊に泊まったことがないので、今回の旅行はこれが大きな楽しみの一つである。さっそくお世話になる「福智院」に向かう。高野山には100を超える寺院があるが、その約半分が宿坊を備えており、その中でも「福智院」は温泉、露天風呂を備えるなど、設備のよさ等で人気ある宿坊の一つである。受付を済ませ、部屋に案内されると、そこDsc_57751は和室の8畳で床の間もあり、落ち着いた部屋 である。宿坊と言えば、隣とは襖一枚のお部屋を覚悟していたが、ここは独立した部屋になっており、内側からだけではあるが、鍵もかけることができる。食事は、朝晩共に部屋食で、アルバイトのお嬢さんが運んでくれる。料理は当然「精進料理」、予想外に量もあってお腹いっぱいになり、おいしくいただいた。

 Dsc_57881 翌朝は午前5時前に起床、早朝の奥の院を体験するために、車で「一の橋」の駐車場に向かった。さすがに朝が早いため、まだ参拝客はほとんどいない。一番乗りのようであり、企業のユニークなお墓などに感心しながら奥の院へと進んでいったが、何百年も経過している立派な杉林、豊臣秀吉や織田信長、徳川家、さらに諸大名などの墓所がずらり 並んでいる薄暗い道を歩いていくと、弘Dsc_58591法大師御廟入り口に到着する。ここからは、撮影禁止になっているのでカメラのことは忘れ、ひたすらこの霊域を自分の五感で体験することにする。
 弘法大師の聖域へと繋がる御廟橋を身の引き締まる思いで渡ると、その先には灯籠堂があり、その後に弘法大師が眠る御廟が静かに建っている。午前6時になると、数名の参拝客が現れ、灯籠堂で行われる僧侶の朝のお勤めを座して待っていた。

Dsc_57931  すがすがしい気分で宿坊に帰ると、既に朝の精進料理が部屋に運ばれている。妻は、この福智院の勤行に参加したそうで、本堂の回りも案内してもらったらしい。二人とも、近年に親を亡くしたこともあって、今回の高野山は親のよい供養にもなったのではないかと考えている。

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大塚国際美術館は素晴らしい!

 かなり前のことになるが、知人が徳島県鳴門市にある「大塚国際美術館」を見てみたいとの思いから、1泊2日の強行軍で車を走らせたことを思い出し、今回の旅行では、ぜひこの美術館に立ち寄ってみたいと思っていた。

 今朝は、午前五時半に起床、ホテルの周りを40分程度散歩して朝食、午前8時にホテルを出発して屋島を目指した。屋島は源平合戦であまりにも有名であるが、これまで一度も登ったことがなかった。頂上に上がってみると、確かに眺めはよく、高松市内の様子がよくわかり、瀬戸内海に浮かぶ小豆島など、島々の風景も青空に映えて美しい。屋島寺や散歩コースを回り、一路「大塚国際美術館」を目指す。

 高松市から鳴門市までの途中、事前に調べておいた和食の店「びんび屋」に立ち寄る。まだ午前11時であったが、すでに駐車場は他県ナンバーの車でいっぱい、店の中もお客さんでいっぱいであった。ここは、新鮮な魚が安く食べられると評判のお店なので、さっそく刺身定食を注文、確かに新鮮な魚で評判に偽りはなかった。

 美術館には正午過ぎに到着、駐車場の案内標識に従って走ると、美術館からひどく離れた大きな駐車場に着いた。ここから歩いたら遠いなあと思ったら、美術館までの無料送迎バスが待っていた。ちなみに駐車場代も無料である。入場料は大人3150円と結構高いが、巨大な建物の中に千点以上の陶板画が展示されており、すべてをゆっくり見て回ると半日はかかることを思うと、決して高いとは言えない。

 この美術館は、地下3階、地上2階となっており、地上部分は小高い山の上にあるため、地下とは言っても、正面玄関からは、おそろしく長いエスカレーターで登ったところがようやく地下3階となる。
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   最初に目に入るのが「システィーナホール」である。実物そっくりなのであろう(本物を見たことがないので・・・)、素晴らしく天井が高くて荘厳な雰囲気を与えてくれる礼拝堂である。陶板画というものに偏見があったわけではないが、その素晴らしい色彩、質感に驚き、技術の素晴らしさに感嘆する。Conv0012

 ここからスタートし、床に描かれた案内の印に沿って見学するが、あまりの広さに方向感覚もなくなり、今自分がどの当たりにいるのか、まったくわからなくなる。足早に回ったつもりであったが、B3フロアをすべて見終わった時は、ゆうに1時間を過ぎていた。このペースで見ていたら、4時間近くはかかる計算となり、やはり半日仕事であることを覚悟する。上階に進む毎に古代から中世、バロック、近代、現在と作品が代わり、これまであまり絵画に関心のなかった私でさえ、「ミロのビーナス」や「ビーナスの誕生」、「落ち穂拾い」などの名高い名画を目にすると、思わずConv0015 立ち止まって見入っていた。本物志向の人には物足りないかもしれないが、素晴らしい陶板作成技術で完成された原画と同じサイズの著名な絵画を一度に千点以上も見ることができる施設に感心しつつ、美術館を後にする。

 本日の泊まりは、徳島駅近くの宿であるが、明日は午前11時発の南海フェリーで和歌山市に上陸、念願の「高野山」を目指す。

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30年ぶりの大歩危・小歩危、かずら橋

 就職して間もない頃、阿波池田から鼻のとがった大昔のバスに乗り、運転手がわずかでもミスをしたら谷底に真っ逆さまというような狭くてガードレールのない山道を登って「かずら橋」に行ったのをかすかに記憶している。

Conv0008  あれから30年近く経過した今日、午前7時に山口を出発、山陽自動車道をひた走り、瀬戸大橋を渡って香川県に上陸した。高速利用料金は橋代を含めて2千円、ありがたい!
 昼近くになったので、下調べしておいた「うどん」の人気店、「山越うどん」を目指して走る。この店は、行列のできるうどん店としてあまりにも有名、「かまたま」を食べたいとの一念で走っていると、他府県ナンバーの車が数台目の前を走っている。どうやら行き先は同じらしい。ようやくお店のある地点に到着してみると、広い駐車場は、ガラガラ?当たりを見渡してみると、なんと!「本日休業」の看板が!!!大ショック!である。日曜日が定休日とは。前を走っていた数台の車もあきらめてUターンしている。我が車も諦めて近くの道路沿いのうどんチェーン店に入る。店内は大勢の客が並んでいたが、セルフの店なので、うどんを選び、後は自分が好きなトッピングを選んで会計を済ませる。あっという間に自分の順番になり、ざるうどんの大とてんぷらを2つ選択、5百円程度だからやはり安い。味の方は、まあまあ、悪くはないが、かといって絶賛するほどでもない。せっかく讃岐に来たのだから、夕食もうどんにチャレンジすることにする。

 腹がいっぱいになったところで、大歩危・小歩危、かずら橋を目指すこConv0006とにする。途中、金比羅宮を通るが、この暑さの中、頂上まで階段を歩く元気はない。旅は始まったばかり、ここで無理をして体調を崩しては元も子もない。横目で登り口を見て通り過ぎる。
 しばらく走ると「吉野川」が見えてきた。ここは昔懐かしい高校野球の名門「池田高校」のある池田町である。亡くなった「蔦監督」や巨人に在籍した水野投手が懐かしい。ここから吉野川沿いを上っていくと、途中ラフティングの大会が行われていたので、休憩を兼ねてしばらく様子を見てみる。急流を巧みに下っていくが、失敗してひっくり返っているボートもいる。難しそうだ。
Conv0010  大歩危に着いてから、川下りの観光船に乗ってみる。川の上は涼しく、快適な時間を過ごすことができたが、船を下りてから、上の道路に戻るまでに汗をかいてしまった。
 次に「かずら橋」に向かう。立派な道ができており、何より驚いたのは、昔は粗末なかずらの橋と小さな駐車場しかなったのに、今では大駐車場に大きなお土産店、肝心なかずらの橋もひどくきれいなものになっている。夏休みの日曜日ということもあってか、驚くほどの観光客が橋を渡る順番を待っていた。しかし、この橋の通行料金が500円というのは、いささか高い?3年に1回橋を架け替えるらしいが、十分に費用が賄えるだろうなと算盤勘定をしてみた。Conv0007
 本日の観光はここまで。時間はすでに午後4時を過ぎている。ここから高松市内のうどんの有名店「山田屋」に寄って高松駅近くの宿に行くこととする。安いカーナビのとんでもない案内に怒りながら、ひどい遠回りをしてようやく目的のうどん店に到着、広い駐車場には大型観光バスが2台、多くのマイカーが駐まっている。門をくぐると、敷地内にはたくさんの屋敷が並んでおり、その広さに驚く。てんぷらぶっかけうどんを注文、うどんはさすがに昼の店のうどんよりこしがあって、のどごしもよく、確かにうまい。しかし何か違う。期待していたうどんの味ではない。何が違うのかわからないまま、食べ終わってしまった。

 無事ホテルに到着したのは午後7時半、本日の走行距離は650キロ、よく運転したものである。明日の目的地は、鳴門市にある大塚国際美術館、ここでゆっくりと過ごして徳島市内に宿泊、翌日は、フェリーで徳島港から和歌山港に行き、今回の旅行の主目的である高野山の宿坊を目指す。

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